冷たいコーヒーを抽出する -漬け置き編-
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- 冷たいコーヒーを抽出する
冷たいコーヒーを抽出する第3回目です。今回は、水にコーヒー粉を浸してコーヒーを抽出する方法で検証を行いました。
はじめに
自分で書いておいてなんですが、漬け置きと書くと、ガンコな汚れが付いた洗濯物を洗うような印象がありますね。google翻訳で「漬け置き」を変換すると「soaking」と出てきて、それを更に日本語に訳すと「浸漬(しんし)」と出てきます。それをgoogle検索窓に突っ込むと、サジェストで「浸漬法 コーヒー」と出てきたので多分「浸漬編」が正しいのでしょうが、その話はまた別の機会に。
前置きが長くなりましたが、今回は挽いたコーヒー豆を瓶に入れ、水を入れて少し撹拌して冷蔵庫で放置した後、フィルターで濾して冷たいコーヒーを抽出しました。今回は温度は未測定です。
条件
今回の検証は以下の条件下で行いました。
- 使用したコーヒー豆:コスタリカ トーレス農園
- 焙煎度:フルシティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):1・4・7
- ドリッパー:カリタ ロトブラウン102(陶器)
- フィルター:カリタ 珈琲屋さんのコーヒーフィルター102(白)
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 豆の使用量:20g
- 水の使用量:140cc
- 水の種類:水道水
- 抽出量:100cc
- 抽出時間:23時間
ミルのメモリが4のとき
各メーカーから水出し用のコーヒーポッドが発売されていますが、検証のために使わなそうなものをわざわざ買うのが嫌だったので、今回は手元に専用の物がなくても良いように飲むときにろ過する方式にしました。抽出量の目標はホットの時と変わらず120ccとし、蒸らし分を含めて140ccの水を投入しました。諸事情につき、夜にミルを使えなかったので、前日の昼に仕込んで翌日の昼にろ過しました。
まずはスタンダードな挽き具合から確認します。冷蔵庫に入れていたので、冷たさは十分。ホットと並べて飲み比べると、含んだ時の香りの印象が大分違く、ホットの時にハチミツのような、花をイメージさせる香りが、冷たいものだとワインのような香りに感じられました。また、酸味が後に残らなくなり、両顎の唾液腺が刺激される甘みがあり、まろやかに感じました。
類似点としては、今回使用した豆の特徴なのか、飲んだ時に鼻血が出そうな感じは変わりませんでした。欠点としては、抽出時間のせいか、大分濃く抽出されていて、正直飲みにくい点が挙げられました。
また、120ccを抽出するつもりだったところが、100cc強程度しか抽出できず、ホットで抽出するときよりも豆に水分が吸収されているようでした。
ミルのメモリが7のとき
メモリ4の物が大分濃く感じられたので、次はより粗挽きのメモリが7の物を確認。
基本的な味わいとしては、メモリが4の時の物とは変わりがありませんが、粗挽きな分、全体的に味が薄まっています。しかし、個人的にはそれでも濃い目でもっと薄くても良いくらいでした。
また、こちらも抽出量が120ccには届きませんでした。
ミルのメモリが1のとき
最後に一番細挽きのメモリが1の物を確認します。
ハンドドリップの時と変わらず、瓶から出して、ろ過する際、なかなか落ちてこない。しばらく待って落ちきったものを飲んでみると、これまでの2つとは違い、鼻血が出そうな感じがせず、更に酸味もどこかに行ってしまっていて、香りもなんだかあまり感じませんでした。苦味と甘みに特したような、面白みのない味わいになりました。
こちらもやっぱり120ccは抽出できず。
今回の結果
今回の結果をまとめると、以下のようになります。
- 含んだ時の印象が大分変わる
- 味が濃く抽出される
- 口当たりがまろやかになる
- 細挽きだと普遍的な味わいになる
- ホットの時よりも豆の水分吸収量が多い
考察など
一番細かく挽いたものが、印象はそのまま一番濃く抽出されているかなーと思ったのですが、そんなこともなく、むしろ粗挽きぐらいのほうが飲みやすく、個性も感じられておいしいという結果に少し驚きました。ただ、今回は約1日と長い時間漬け置いた+抽出量が少々足りなかったという部分もあるので、そこは改めて検証が必要なように思います。
ただ、粗挽きのほうが美味しいと感じることが不思議に思う点もあります。瓶の写真を見るとわかるのですが、ミルのメモリが1のときの物は均一に豆が挽かれており、4と7のときは粗く挽かれた部分とそうでない部分が混在していることが分かります。コーヒーを美味しく抽出するためには、豆が均一に挽かれていることが条件の一つとしてよく挙げられていることを考えると、メモリが1のときの味わいが(美味しさは個人次第とはいえ、大衆意見としては)正しいのでは?とも考えてしまいます。
抽出量が足りなかった点については、蒸らしの適切な湯量の記事のことを考えれば、当然なことでした。検証前にやってきた事の関連性について考えるのが足りなかったと少し反省。
さいごに
今回の検証については、冷たいコーヒーを抽出する際の美味しさの定義とした、「ホットで抽出した時により近い良さが感じられること」に当てはめると、含んだ時の印象が違いすぎて完全に落第点ですが、単純に美味しいか美味しくないかで判断すると、美味しいコーヒーが抽出できたと思います。専用の道具も必要ないので、興味があれば是非試してみてください。
次回は、道具がそろえば、ちょっとマニアックな方法で冷たいコーヒーを抽出してみたいと考えています。上手くいけば一番良い方法になると予想しているので、ご期待ください。