冷たいコーヒーを抽出する -急速冷却編-
- コーヒーの抽出
- 冷たいコーヒーを抽出する
連日、太陽が顔を隠す時期になりました。天岩戸から顔を出す前に、冷たいコーヒーの美味しい入れ方をサクッと確定させたい今日この頃、ということで、冷たいコーヒーを抽出する試み第4回目が始まります。
はじめに
前回の記事の最後でも書きましたが、今回の検証は今までの中でも一番まとも期待できる方法であると、始める前からワクワクでした。方法としては、第2回目と一緒でホットで入れたコーヒーを冷やすというものですが、今回は準備するものが多少ありましたので、条件の後はまずそれらの紹介から。
条件
今回の検証は以下の条件下で行いました。
- 使用したコーヒー豆:モカ ピーベリー
- 焙煎度:フルシティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
- ドリッパー:カリタ ロトブラウン102(陶器)
- フィルター:カリタ 珈琲屋さんのコーヒーフィルター101(白)
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 温度計:タニタ TT-NT33
- 豆の使用量:20g
- 抽出量:100ccぐらい
- お湯の温度:96℃
- 冷却後の温度:12.6℃
道具
今回の検証のために用意したものは、3メートルの「なまし銅管」、「ガラス漏斗」、漬物用の「シール容器」の3つ。
準備としては、まず写真のように銅管を螺旋状に捻じ曲げます。次にシール容器の側面に穴を開けて、銅管をねじ込みます。穴の大きさは、銅管を無理やりねじ込んでやっと通過するぐらいが良いです。後は好みで銅管の端を上向き下向きに曲げて完了。あとは容器に水を張って氷を入れて冷やしたら、熱いコーヒーを漏斗を使って銅管の上端から投入し下端で受けると、めでたく冷たいコーヒーが完成するという寸法です。ちなみに、容器からの水漏れはほぼしません。
ミルのメモリが4のとき
というわけで早速実行しました。後片付けをしているときに気付いたのですが、抽出後のコーヒーの写真を撮影し忘れたので、今回使用した豆の写真を張っておきます。
通常通りにコーヒーを入れ、銅管を通して冷却。実は漏斗のサイズが合わず、しかも先が折れていたので銅管から多少漏れて出してしまいましたが、無事ホットコーヒー120ccを冷たいコーヒー100ccに素早く”変換”することができました。冷却後の温度を測ってみると、12.6℃とかなり温度が下がっていたので、追加の冷却はせずにそのままテイスティング。
ホットと交互に飲んでみると、口に含んだ時の違和感がなく、同等の味わいに感じられました。しかし、予想はしていましたが、考えないフリをしていた難点が浮き彫りに。それは銅臭いという事です。明らかに銅。銅自体は、体に悪いものではないのですし、むしろ貧血気味なので摂取することは問題ないのですが、今回の検証においてはかなり邪魔に感じられます。それ以外はかなりホットに近い、冷たいコーヒーなので、非常に残念です。
今回の結果
今回の結果をまとめると、以下のようになります。
- 十分に冷たいコーヒーが抽出される
- ホットと同等の味わいを感じられる
- 銅の味がする
考察など
今回はいろんな側面の課題があります。まず、容器の大きさについて。銅管を冷やすために容器に水を張って氷を張って・・・としましたが、銅管を覆うために必要な水と氷の量が多く、氷が足りなかったため、複数回の検証を行うことができませんでした。そのため、もっと銅管をきつく巻いて、それにフィットした容器を用意する必要がありそうです。次に漏斗。これもサイズが微妙に大きくコーヒーをこぼしてしまう要因となりました。実は一番最後まで悩んだのがこの、「細い銅管にどうやってコーヒーを漏らさず流し入れるか?」という部分で、これについては、形状が漏斗のようなもので柔軟性がある、衛生的なものを探し出す必要がありそうです。
そして銅管。匂い移りは危惧していましたが、ここまで顕著だとは思っていなかったので、ショックでした。熱伝導率と素材の手に入りやすさから考えると、銅以外には考えられないので、なんとか匂い移りを防ぐ、もしくは匂いをとる方法を見つけ出す必要があります。
また、銅管を通している最中に、どうにもコーヒーがすっきりと通過していかなかったようで、最後に吹き出してやる必要がありました。これについては銅管の巻き具合のせいなのか、はたまたコーヒー自体の要因が関連しているのか・・・、水はもっとスッっと流れ出たような気がするので、ここも改めて確認が必要そうです。
更にさらに、今回の結果は、銅の匂い移り以外は完璧なように書きましたが、使用した豆が結構な深入り(店の人の好み)で、アイスコーヒー向きのようなところがあったので、結果には少々懐疑的ではあります。
さいごに
銅分が足りない方でコーヒーが好きな方は、ぜひ真似してみてください。そして、銅とコーヒーのハイブリットを感じていただきたいです。ほんと是非。
今回の検証で、現時点で思いつくところは全て行ってしまいましたが、改善点ばかりで、幅のある検証を行えていないので、改良編も行おうと思っています。それと、どなたか銅管の匂い取り、代替品があれば情報お願いいたします。