浅煎りコーヒー豆でカフェオレ。コーヒーとミルクの相性を確かめる
- コーヒーの抽出
- コーヒーとミルク
カフェオレとかカフェラテとか、ミルク(牛乳)と組み合わせるコーヒーの飲み方って、ベースとなるコーヒー豆は深煎りのイメージがあります。浅煎りだと美味しくないんでしょうか。
浅煎りのコーヒー豆はミルク(牛乳)にあわない?
カフェラテとかカプチーノはエスプレッソがベースなので、必然的に深煎りのコーヒー豆を使用することになるのかと思うのですが、普通のカフェオレだったらそこの縛りは無いですよね。でも、浅煎りのコーヒー豆を使用したカフェオレってあんまり飲んだこと無い気がします。いや、そもそも外でコーヒーを飲むことがあっても、ストレートでしか飲まないからそう勘違いしている可能性もあるのですが・・・。もしかして昨今のコーヒーとミルク(牛乳)の事情は、浅煎りコーヒー豆のチョイスがトレンド、なんてことはないですよね?
なんにせよ、今それに疑問を持つ私がそれを知らないので、まあ関係ないですね。ということで、深煎りのコーヒー豆を使用しているイメージのあるカフェオレやカフェラテなどのミルク(牛乳)とコーヒーを組み合わせる飲み方は、浅煎りのコーヒー豆を使用しても美味しく楽しめるのか、というのを検証してみたいと思います。
ちなみにですが、ミルクと牛乳、どっちで呼ぶのが一般的なんでしょう。使っているのは市販の牛乳なのに、わざわざミルクって言うのはなんだか西洋かぶれというか、自分の中に存在しないスタンスです。ただ、ちょっと調べてみると、一般的にコーヒー界隈ではミルクって呼ぶ感じなので、ここからは(牛乳)は抜いてミルクって呼ぶことにします。
コーヒーを淹れる条件
今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。
- 使用したコーヒー豆①:エチオピア モカ イルガチェフェ G1 コンガ
- 使用したコーヒー豆②:グアテマラ エルモリート
- 焙煎度①:ハイローストぐらい
- 焙煎度②:フルシティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- ドリッパー:Rite Press
- 豆の使用量:20g
- お湯の温度:沸騰直後
コーヒー豆とミルクとの相性を確かめる方法
今回の検証方法ですが、2種類のコーヒー豆を用意し、アイスとホットそれぞれのパターンでミルクと組み合わせて味の比較を行います。アイスコーヒーには冷たいミルクを、ホットコーヒーには温かいミルクを加え、よく混ぜて飲み比べてみます。
ミルクは市販の紙パックの牛乳を使います。乳飲料ではなく、混じりっけのない牛乳を使用します。
さっきファミマで買ってきました。いつも安いスーパーで買い物するので、コンビニの牛乳は高く感じます。よく見るとパッケージの牛、黒すぎ。
コーヒー豆は、深煎りのグアテマラと浅煎りのエチオピアのモカを使用します。焙煎度が低くてもミルクに合うかどうかを見たいだけなので、品種の違いは無視します。抽出方法はフレンチプレスで、1度の抽出でアイスとホット2杯分のコーヒーを抽出します。
右はモカ、左はグアテマラ。焙煎度の違いは一目瞭然。奥は今回使用するRite Press(フレンチプレス)です。
準備するのはこれだけ。これらのコーヒー豆でホットとアイスのコーヒーを2杯ずつ作って、温かいミルクと冷たいミルクをそれぞれ加えてカフェオレにしていきます。
アイスとホットのカフェオレを作る
コーヒー豆を20gほど中粗挽きで挽いたら、フレンチプレスに入れて熱湯を注いで3分30秒ほど待ちます。待ったらプランジャーを押し下げて、氷を詰めて冷凍庫にいれておいたガラスのグラス(本当は耐熱プリン容器)にコーヒーを50mlほど注ぎ、すぐに冷たいミルクを約45ml、ほぼ1:1の割合になるように注いてアイスカフェオレを作りました。
深煎りのグアテマラで作ったアイスカフェオレ。コーヒーの中をコーヒー粉が舞っているのが分かります。
同時に、真空二重構造のタンブラーにもコーヒーを200mlほど注ぎ、100mlのミルクをエスプレッソマシンを利用して温めます。まあ、単純に温めたのではなく、泡立ってフォームミルクになってしまったのですが・・・。ともかく、温かいミルクをタンブラーに入ったコーヒーに注ぎ、よく混ぜてホットカフェオレも準備完了です。
すかさずフレンチプレスをキレイにして、もう1杯のコーヒーを抽出します。同様の手順でアイスとホットのカフェオレをつくりました。
こちらは浅煎りのモカで作ったアイスカフェオレ。グアテマラで作ったものと見比べると、白い。プリンって言われても通用するレベル(黒いのはバニラビーンズ)。
ちなみにそれぞれのホットカフェオレについては、ガラスの耐熱容器がなかったので写真はありません。
浅煎り・深煎りのコーヒー豆で作ったカフェオレを飲み比べる
2種類のコーヒー豆でアイスとホットのカフェオレを計4杯を抽出できたので、飲み比べてみましょう。まず、深煎りのアイスカフェオレ。冷たい容器を持って、ゴクリと一口。うーん、ちょっと薄め。コーヒーとミルクを1:1にしたのもありますが、フレンチプレスで抽出したせいで薄味っていうのもありそうです。ただ、ミルクのあとにコーヒーの苦味とグアテマラ独特の香りが感じられるので、完全に食われてはいません。
次に、深煎りのホットカフェオレ。ズズッとすすると、ミルクのまろやかさがしっかりとあり、裏からコーヒーが来る感じ。やっぱりこっちもコーヒー感が少し薄い。ただ、コーヒーの個性は残っていて、かつミルクがグアテマラのクセを程よくマイルドにし、飲みやすくしくれている感じです。
深煎りのほうのテイスティングが済んだので、次は浅煎り、モカのほう。まずアイスカフェオレを一口。ううん、味がしねえ。ほとんどミルク。ほんのーりと飲み込んだ後にモカが香くらいで、苦味もなく、コーヒー感もない。完全にミルクに負けてしまっています。
最後に浅煎りホットカフェオレ。一口飲むと、ミルクのまろやかさと、モカ独特の華やかな香りで、あれ、意外とイケる。ただ、コーヒーと言うよりはミルクティーと言ったほうが適切です。ロイヤルなミルクティー。もうコーヒーやめて紅茶に転職してます。香りだけで、苦味はちょっぴり、酸味はほとんど感じられません。
今回の結果
今回の結果をまとめると、以下のようになります。
- 浅煎りのコーヒー豆でも、ミルクとの相性が悪いとは限らない。しかし、コーヒーとして美味しいかどうかは別かもしれない。
- カフェオレを作るときは、ミルクに負けないように濃い目の抽出を心がけたほうが良い。少なくとも、フレンチプレスは向いていない。
考察・感想
事前の予想を先に言っておくと、浅煎りのコーヒー豆はミルクとの相性は悪く、美味しくないんじゃないと考えていました。まあ、半分くらいは当たっていた気もしますが、意外とモカとミルクの相性が良かったので、必ずしも浅煎りのコーヒー豆とミルクは相性が悪いとは限らない、というところで着地点としました。
今回、手間を考慮してフレンチプレスを使用してのコーヒーの抽出をしましたが、コーヒーの濃度がプアオーバーで淹れるときよりも薄くなってしまったせいか、結果的にミルクとあわせたときにミルクに負けてしまっていました。フレンチプレスを使用したのは失敗でしたが、逆に、カフェオレを作るとき(ミルクとコーヒーを組み合わせるとき)はコーヒーを濃い目に入れたほうが良い、という良い教訓となったかと思います。
と、書いて気づいたのですが、カフェオレなどミルクとコーヒーを組み合わせる場合に深煎りコーヒー豆を使用するのは、ミルクの濃い味わいにコーヒーが負けてしまわないように、ということなんじゃないでしょうか。今回、浅煎りのコーヒー豆を使用してみて、アイスカフェオレなんてほぼアイスミルク状態だったことを考えると、浅煎りのコーヒー豆は苦味が少なくてミルクに負けてしまうため、ミルクに負けないために苦い深煎りのコーヒー豆を使用するのが一般的になった、という感じです。まあ、冒頭にも書きましたが、カフェオレには深煎りのコーヒー豆を使用するのが一般的、というのが私の勝手な想像でなければ、という前提もあります。
浅煎りのコーヒー豆にモカをチョイスしたところは、色々とラッキーだったあるかもしれません。モカの香りはその他のコーヒーと比較しても突出して華やかなので、ホットカフェオレにしたときその香りが生かされてミルクティーのような味わいになりました。もしこれがモカでなかったら、ミルクと合わないか、ただのちょっと苦いホットミルクになっていたかもしれません。そう考えると、ミルクと合う浅煎りのコーヒー豆というのはかなり限られているかもしれません。
結局の所、ミルクとコーヒーを組み合わせるときいちばん大事なのは、ミルクに負けない個性がコーヒーにあるかどうか、というところだと思います。それが香りにせよ味にせよ、ミルクにかき消されない何かをもっていないと、組み合わせたとき何も残らなくなってしまうでしょう。そして、ミルクに負けないようにするための方法として一番手軽なところが、焙煎による苦味の強調だったのかもしれません。
というかそもそも、カフェオレってコーヒーを飲めない人のためにミルクを足したんでしょうか、それともコーヒーとミルクを組み合わせると美味しいからそうしたんでしょうか。もし前者だった場合、ミルクをコーヒーに加える理由として考えられるのは、ミルクをもってコーヒーを飲みやすくするというところだと思うので、苦味をわざわざ強調する必要はないですよね。コーヒー豆ミルクの相性については今回あらかた検討が付きましたが、もっと深くカフェオレに使用するコーヒーの種類について知るためには、そもそもカフェオレがなぜ生まれたのか、そこを紐解いていかなければならないでしょう。
さいごに
やっぱりダメだ、記事を書いている途中、何度かミルクではなく牛乳って書いてしまいました。特に、”冷たいミルク”って単語が馴染まなかったです。やっぱり日本人にとってミルクじゃなくて牛乳なんですよ、牛の乳というのは。