軟水と硬水と水道水、硬度の違う水でコーヒーをドリップしてみる

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これまで一度も、硬水と軟水それぞれで淹れたホットコーヒーの飲み比べってのをやっていなかったので、本格的に暑い季節になる前に試していみようかと思います。

水の硬度について

水には硬度と呼ばれる概念があって、水の成分中のミネラルの含有量が多いほど”硬度が高い”と表現します(ざっくり)。そして、硬度によって大まかに”軟水”と”硬水”に分類されます。エビアンのサイトによると、WHO(世界保健機関)では、硬度120mg/l以下を「軟水」、それ以上を「硬水」と呼ぶと紹介されています。ちなみにエビアンは304mg/lで硬水だそうです。

日本の水道の水は地域によって硬度が異なるようで、クリタック株式会社の紹介する調査内容によると、低いところでは硬度50mg/l未満、高いところでは100mg/lと少しバラツキがあるようです。ただ、ほとんどの地域で硬度50〜70mg/lほどとなっているので、全国的に同じような硬度の軟水を利用していると考えて良いかと思います。

で、本題です。以前、水道水とミネラルウォーターで水出しコーヒーを作って飲み比べたことがありました。結果的には、硬水で作った水出しコーヒーはとても苦くなり、水道水や軟水とは全く異なる味わいのコーヒーになることはわかったのですが、そのときはホットコーヒーでは試していなかったなあ、なんてふと思い出したので、今回ホットでも同じような結果になるのかどうかを確かめてみたいと思います。

コーヒーを淹れる条件

今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。

  • 使用したコーヒー豆:グアテマラ エスペランサ パカマラ
  • 焙煎度:フルシティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:ハリオ V60透過ドリッパー01(ガラス)
  • コーヒーポット:ユキワ M-5
  • フィルター:ハリオ V60ペーパーフィルター01W(ホワイト)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:15g
  • お湯の温度:約88℃
  • 蒸らし時間:20秒
  • 抽出量:120ml

使用するミネラルウォーター

今回は水道水、軟水、硬水の三種類でコーヒーを淹れて飲み比べを行います。今回使用するミネラルウォーターに選んだのはこちら。

硬水と軟水

みなさんご存知、南アルプスの天然水とコントレックスです。どちらも比較的手に入りやすいものでチョイスしました。

南アルプスの天然水は軟水、コントレックスは硬水です。

南アルプス天然水 硬度

山梨から来た国産ミネラルウォーター。硬度は30mg/lとなっていて、平均的な水道水よりも少し硬度が低い軟水です。

コントレックス 成分

そしてコントレックスの硬度は・・・フランス語で読めない。日本語ラベルも貼ってあるのですが、そこに硬度の記載はありませんでした。

コントレックスのラベルにちらっと2078mg/lとか尋常じゃない数字が記載されているように見えますが、多分気のせい。いろいろ調べてみると、硬度は1468mg/lだそうです。そういうことにしておきましょう。それにしても十分硬度が高い。

硬度が全く異なるこれらのミネラルウォーターと水道水をそれぞれ沸かして、ホットコーヒーを作ります。

水道水と軟水と硬水でコーヒーをドリップする

まずは、水道水(浄水)を使用してコーヒーを淹れます。ちなみに、コーヒー豆とコーヒーの抽出量ですが、いつもはコーヒー豆20gで130mlのコーヒーをドリップするのですが、豆が少し少なかったので15gで120mlとすることにします。湧いたお湯をコーヒーポットに入れて冷まして、各器具を保温したら、やかんの中の水を全部捨てて、そこに南アルプスの天然水をドバドバと注ぎます。都度水を変えなければいけないので、コーヒーの抽出とお湯沸かしを並行して行っていきます。

水道水でコーヒーを淹れたら、真空二重構造のタンブラーに注いで、すぐに次の水をコーヒーポットへ。やかんを空にしたらコントレックスをまたドバドバ注いで、お湯を沸かしながらコーヒーを淹れるの繰り返し。水の異なる3杯のコーヒーを淹れ終えたら、飲む前に色味のチェックします。

水道水と軟水と硬水で淹れたコーヒーの色

左から、水道水、南アルプスの天然水、コントレックス。コントレックスの色だけあからさまに薄い。ポジションの問題ではないことは、試験管の位置を入れ替えて確認済みです。

冒頭でも話しましたが、水出しコーヒーで同じことをやった時、硬水で作ったものは苦味がハンパなかったので、てっきりホットコーヒーでは硬水で淹れたコーヒーが一番色が濃くなるものと思っていました。

異なる種類の水でドリップしたコーヒーを飲み比べる

それでは、3杯のコーヒーを飲み比べてみます。まずはいつも通りの、浄水器を通した水道水で淹れたコーヒーから。飲むと、苦味と爽やかな酸味、スッキリながらも力強いコクがあって、飲み込んだ後に強い甘みが感じられ、舌の上に苦味がのこります。チョコレートのようなコーヒーです。良いコーヒー豆はやっぱり美味しい。

次に、南アルプスの天然水(軟水)で淹れたコーヒー。飲むと、うん、美味しい。美味しいけど、水道水とこれといって差は感じられません。気持ち、水道水で淹れたものよりも酸味が弱い気がしますが、本当に気のせいな気がします。

そして一番気になる最後、コントレックス(硬水)でドリップしたコーヒー。飲むと、苦味、甘みは感じます。しかし、圧倒的に口に含んだときに感じる香りや風味が足りず、のっぺりとした印象になっています。広がらないと言うか、落ちる感じ。口の中で広がらず、こじんまりと舌の上に落ちているだけ。それと、酸味が全くありません。更に、硬水独特の突っかかる感じの飲み辛さもあって、良いところが見つかりません。高品質なコーヒーをここまでダメにできるなんて、中々すごいと思います。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • ホットコーヒーは軟水でドリップしよう

考察・感想

正直なところ、硬水でドリップしたコーヒーが美味しくないのは水出しコーヒーの検証の結果から想像はついていましたが、実際に飲んでみて体感できたのは経験として非常によかったと思います。特に、飲み込むときの感触が全く別物で、水道水や軟水で淹れたコーヒーを飲み込むときの感覚が”綿”だとすると、硬水のほうは”岩”って感じです。まあこれはどちらかと言うと、コーヒー云々ではなく単純な軟水と硬水の違いの部分もありますけどね。

水の硬度が風味や香りにも影響を与えるということを、今回しっかりと実感できました。ただ、それがコーヒーをドリップした時点で香りや風味をコーヒーの中に閉じ込められなかったのか、それともそれらがコーヒーの中に溶け込んでいるのに、口の中で上手く広がらなかったのか、どちらなのかは分かりません。水の硬度が高いほど水分中のミネラルの含有量も多いということを考えると、高度が高い水は最初から水分中に多くのミネラルが溶け込んでいるため隙間がなく、コーヒーの成分をしっかりと水分中に取り込めなかったのではないかと推察します。

これは、コーヒー自体の色が、硬度が一番高いコントレックスが一番薄くなっていたことからも可能性としてありうるのかなと思います。ただそうなると、コーヒーの成分がお湯に溶け出すとき、香りや風味の部分は苦味や甘みよりも後に出てくるということになります。印象的には、酸味や苦味といった味に直接関わってくる部分よりも、香りなど味覚には直接働かない部分のほうが真っ先に抽出される印象があるので、その観点でみると少し考察に自身が無くなります・・・。ただ、例えば香りや風味に関わる直接的な成分があるわけではなく、味に関わる成分によって香りや風味が作り出されるのであれば、この考え方で間違っていないとも思えます。

今回はあえて極端に硬度の高い硬水で試しましたが、300mg/lとかの硬度の硬水と30mg/lの軟水で飲み比べても、軟水のほうが美味しいという結果になると思います。万が一、硬水のほうが美味しいという結果になったとしても、コーヒーのために硬水を買って沸かして、とするのは手間も費用も大変なので、段違いで美味しくなることがなければ、自分はコーヒーを淹れるのは浄水器を通した水道水で十分かなと思います。今回は検証なので贅沢に水を使いましたが、普段から何杯も飲む場合に、水を買ってコーヒーを淹れるという行為は向いていないですね。

さいごに

ちゃんと味の違いを体感できた、大変有意義な検証になりました。まだ硬水を利用してコーヒーを淹れたことがない人がいれば、一度は試してみることをおすすめします。

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