水出しコーヒーを温めてホットコーヒーにしても美味しく飲めるのか

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寒い季節に冷たく淹れたコーヒーは飲みたくありません。でも、冷たく淹れたコーヒーを温めたら、飲みたくなるかもしれません。

冬でも冷たく淹れたコーヒーを美味しく飲むためには?

水出しコーヒーなどの冷たいコーヒーには、ホットコーヒーとは違う独特な味わいがあって、それはそれで美味しいのですが、冬になると寒いので冷たいコーヒーを飲む気はまったく起きません。しかし、冬でも水出しコーヒーのような独特な味わいのコーヒーを飲みたくなることがあるかもしれません。

そんなときは、我慢して冷たいコーヒーを飲むか、諦めて飲まないか、冷たく淹れたコーヒーを温かくして飲むか、取るべき方法はいくつかあります。もちろん、こんな話をしておいて飲むことを諦めるという選択肢はありませんし、そのまま飲むなんて芸のないことはしません。そう、冷たいコーヒーの独特な味わいを冬でも楽しみたいなら、温めちゃえば良いんじゃない?という事を言いたいのです。

実は以前にも同様の検証を行った事があるのですが、その時は抽出したコーヒーの味が薄く、パッとしない結果になりました。今回はそのリベンジで、夏の定番である水出しコーヒーを作り、それを温めて飲んだとき美味しく飲むことができるのか、という点について改めて検証してみたいと思います。

コーヒーを淹れる条件

今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。

  • 使用したコーヒー豆:ブラジル タデウ パルプドナチュラル
  • 焙煎度:フルシティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):1
  • 豆の使用量:20g
  • 抽出時間:約13時間
  • 抽出量:400ml

水出しコーヒーを抽出する

まずは水出しコーヒーを淹れましょう。水出しコーヒーの淹れ方は、点滴でじっくり水を滴下して淹れる方法と、水に長時間コーヒー粉を漬けて抽出する浸漬法の2つがありますが、今回は手軽な浸漬法で水出しコーヒーを淹れたいと思います。準備するのは、漬け置くための容器と、浄水器を通した水と細挽きのコーヒー粉、そしてお茶やダシを入れるために使用する”だしパック”です。

まず水を400mlガラスの容器に入れておきます。次にだしパックに細挽きのコーヒー粉を詰め込み、だしパックを折り返してコーヒー粉がこぼれないようにしたら、ガラス容器にそっと浮かべておくだけ。あとは冷蔵庫に入れて時間が経つのを待つだけです。

ガラス容器に入った水出しコーヒー

13時間経過した水出しコーヒー。浮かんでいるのがコーヒー粉を詰めた、だしパックです。水出しコーヒー専用の器具がなくても、だしパックがあればこのように水出しコーヒーを淹れることができちゃいます。

ガラス容器に入った水出しコーヒー 拡大

13時間も漬けておいたので、十分にコーヒーが抽出されていそうな色をしています。今回は味が薄いということは無いでしょう。

冷たい水出しコーヒーを温める/飲む

水出しコーヒーが準備できたら、次はそれを温めます。

小鍋に入った水出しコーヒー

小鍋を用意してコーヒーを200ml注ぎます。上の画像の小鍋の中の黒いのはコーヒー粉です(汚れじゃないよ)。コンロに乗せて弱めの中火で温めて、フツフツと湧いてきたかな?というくらいで火から下ろしてカップに注ぎます。

ホット水出しコーヒー

完成したホット水出しコーヒーがこちら。うん、見た目は十分にホットコーヒーしてます。

見た目はともかく、味はどうでしょうか。少し冷ましてから飲むと、濃くはありませんがコーヒーの味がちゃんとします。ただ、普通にホットコーヒーを淹れたときと違って水っぽさが強い。液体の粘度が低くサラサラしていて、水の匂いがします。後味はかなりスッキリしていて、ホットコーヒーとはだいぶ違った味わいに感じられます。

また、温めていない水出しコーヒーと飲み比べると、水出しコーヒー独特の香りがだいぶ弱く感じられました。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • 十分に抽出された水出しコーヒーを温めて飲むと、通常のホットコーヒーとは違った味わいのコーヒーを楽しむことができる

考察・感想

リベンジとしての今回の検証でしたが、コーヒーの味が薄いなんてこともなく、発見もあったため満足です。

まずホット水出しコーヒーの味ですが、ホットコーヒーとはまた違った味わいで、コレはコレで需要があるのではないかなと思います。大きな違いをざっくり言うと、ホット水出しコーヒーはホットコーヒーよりも水っぽく、アッサリしていてしつこくない、でもちゃんと”コーヒーしてる”かなりサッパリ系のコーヒーになります。コーヒーが少し重たく感じる人は、ホット水出しコーヒーにするとスイスイ飲めるかもしれません。

ただ注意したいのは、水出しコーヒーを濃い目に抽出してようやく普通程度の味わいに感じる、という点です。今回、400mlの水に20gの細挽きのコーヒー豆を沈めて13時間おいた水出しコーヒーを温めて飲みましたが、とても濃い味わいには感じませんでした。水とコーヒー粉の分量は普通くらいですが、13時間というのは水出しコーヒーの抽出時間ではだいぶ長いと思うので、それを考慮すると通常の分量・抽出時間の水出しコーヒーを温めても、少々薄く感じてしまうでしょう。ホット水出しコーヒーを作るときは、コーヒー豆の分量を多めにするか、抽出時間を長くしないと物足りなくなるかもしれません。

また、今回気になったのが、コーヒーの水っぽさです。コレは結構わかりやすく、明らかにコーヒーの粘度が低く、サラサラしていました。以前行ったコーヒーの濃度に関する検証でコーヒーの液体の粘度について、コーヒー豆の成分の多くを占める多糖類が関連しているのではないか、という見解をしましたが、今回も正にそれが影響していると考えていて、温度の低い水でコーヒーを抽出したことで多糖類が溶け出さなかったため、温めて飲んだときに粘度が低く、水っぽく感じたのではないかと考えています。

ただそうなると、水で抽出したコーヒーでは甘みを抽出できないという事になります。この予想を確かめるためには、甘みの強いコーヒー豆を用意して、水出しコーヒーとホットコーヒーを飲み比べ、甘みに変化があるかどうかを一度確認してみる必要がありそうです。

さいごに

今回はちゃんとホット水出しコーヒーと呼べるものが抽出できて良かったです。通常のホットコーヒーとは違った味わいですが、水出しコーヒーを作り置きしておいて、飲みたいときに必要な量を取り出して温めて飲めば、実質的にホットコーヒーの作り置きみたいなものでしょう (暴論)。ズボラなコーヒーユーザーにはオススメ出来ます。

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