異なる挽き目のコーヒー豆を組み合わせてコーヒーを淹れてみる
- コーヒーの抽出
- 異なる粗さのコーヒー豆
1杯のコーヒーを飲むためにコーヒー豆を挽くとき、コーヒー豆の粗さは統一しますよね。じゃあ、あえて異なる挽き目のコーヒー豆を組み合わせてコーヒーを淹れると、どんな味になるのでしょうか。
はじめに
私はプアオーバーでコーヒー淹れてを飲むときは、いつもほとんど中挽きです。ナイスカットミルでいうと、メモリ4を使用してコーヒー豆を挽きます。また、フレンチプレスでコーヒーを淹れるときは気持ち更に粗めに、5のメモリを使用してコーヒー豆を挽きます。
普通、一つの粗さでコーヒー豆を挽いてコーヒーを淹れて飲みますし、それに疑問は持たないと思いますが、ある日ふと、あえて2種類の挽き目のコーヒー豆を組み合わせたら、一体どんな味のコーヒーになるんだろう?と思ったので、今回ちょっと試してみることにしました。
コーヒーを淹れる条件
今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。
- 使用したコーヒー豆:ルワンダ ナチュラル
- 焙煎度:フルシティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):1、4、8
- ドリッパー:ハリオ V60透過ドリッパー01(ガラス)
- コーヒーポット:ユキワ M-5
- フィルター:ハリオ V60ペーパーフィルター01W(ホワイト)
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 豆の使用量:20g
- お湯の温度:約88℃
- 蒸らし時間:20秒
- 抽出量:130ml
異なる挽き目のコーヒー豆を準備する
まずは下準備を始めます。今回は、いつもどおりの中挽き、ナイスカットミルの中央である4のメモリを使用して挽いたコーヒー豆20gと、最も細い1のメモリと最も荒い8のメモリで挽いたコーヒー豆をそれぞれ10gずつ用意し、2杯のコーヒーを淹れて飲み比べます。
今回使用するルワンダのコーヒー豆。品質の確かなお店で購入していますが、ちょっと焙煎にムラがある感じです。上の写真の量で20gあります。
まず、20gのコーヒー豆を中挽きに挽きました。中挽きって感じですね(適当)。
次に、10gのコーヒー豆を極細挽きにしたもの。中挽きのものと見比べると、粉の粒の大きさが全然違います。
こちらは、10gのコーヒー豆を粗挽きに挽いたものです。”挽いた”というよりは”砕いた”といった様相で、所々にコーヒーの原型が感じられます。
コーヒーを一通り挽き終わったら、極細挽きと粗挽きで挽いたコーヒー豆を混ぜ合わせます。コーヒー豆を挽くときに使用するステンレスのカップに両方のコーヒー豆を入れてフリフリ。
極細挽きと粗挽きのコーヒー豆を組み合わせた姿がコレ。粗挽きのコーヒー豆が上手く溶け込んで・・・・ないですね、これは。
これで使用するコーヒー豆の準備は整ったので、コーヒーを淹れて飲み比べを行っていきます。
中挽きと極細+粗挽き、2杯のコーヒーを淹れて飲む
コーヒーはいつもどおりに淹れていきます。ハリオのV60ドリッパーで、濾紙は濡らして蒸らしは20秒。130mlのコーヒーを2分程かけて抽出します。コーヒーの抽出時において目立ったのは、極細挽きと粗挽きのブレンドの方のお湯の抜けが悪かった事と、アクがよく出ること。細挽きのコーヒー豆はお湯の抜けが悪いのは承知していましたが、半分は粗挽きなのでそんなに影響はないと思っていました。アクもこんなに出たっけなあ。
2杯のコーヒーを淹れたら飲み比べ。まず、中挽きのコーヒー豆のみを使用して淹れたコーヒーから。飲むと、しっかりした苦味と酸味が感じられます。フルーティな香りで、甘みは少なく、後味はスッキリ。ボディが強い、というのでしょうか、ガツンとくるタイプのコーヒーです。苦味と酸味、両方強めのバランスが取れたコーヒーです。
次に、極細挽きと粗挽きをブレンドしたコーヒー豆で淹れたほう。飲むと、味わいは似た感じ。ですが、中挽きで淹れたものよりも苦味のほうが強く、酸味は弱い。また、フルーティな香りが抜けていて、ほとんど良い香りを感じません。あと、苦味は強いのですが、全体的にあっさりとした印象です。水っぽいというのが適切でしょうか、面白みに欠けます。
すっかり冷めるまでチビチビ飲みましたが、やっぱり中挽きで淹れたコーヒーのほうが最後まで個性的で美味しくいただくことができました。
今回の結果
今回の結果をまとめると、以下のようになります。
- コーヒーを淹れる時、異なる挽き目のコーヒー豆を使用するメリットは無いかもしれない
考察・感想
今回はちょっと、しょうもない感じの検証だったかもしれません。ただ、こういったところから面白いものが生まれたりすることもあるんですよね。
異なる挽き目をブレンドしたコーヒーの味わいについてですが、印象としてはほとんど極細挽きのコーヒー豆の特徴が全面にでていて、粗挽きのコーヒー豆の方は居てもいなくても良かったんじゃないかな、と思いました。今回の予想として、極細挽きが強い苦味を、粗挽きが酸味を生み出して、中挽きのコーヒー豆と近い味わいになるか、もっとバランスが取れた強い味わいのコーヒーになるのではないかと踏んでいたのですが、蓋を開ければ粗挽きのコーヒー豆は仕事をしてくれず、極細挽きのコーヒー豆だけが張り切った感じです。ブレンドしたコーヒーのほうが苦味が強めで、香りが少なく、少々水っぽい印象を受けたので、これは間違っていないかなと思います。
一番気になった点としては、異なる粗さのコーヒー豆をブレンドしたほうは香りがあまり感じられなかった点です。コーヒーの香りについてはあまり探求したことが無いのですが、細挽きのコーヒー豆で淹れたコーヒーは苦味一辺倒になることから、イメージとしては粗挽きであるほうが良い香りがすると考えていました。しかし、粗挽きのコーヒー豆を使用したにも関わらず香りを伴っていないところを見ると、単純に粗挽きであれば、コーヒー豆の良い香りを引き出すことができるというわけでは無さそうです。
そうすると、コーヒーの香りの本質というのは、一体どこに潜んでいるのでしょうか。中挽きのコーヒー豆で淹れたコーヒーのほうが良い香りがすることを考えると、粗すぎず、細すぎない粗さのコーヒー豆でコーヒーを淹れるとそうなるように思いますが、以前に行ったコーヒーの微粉の有無による味の違いの検証の結果を考慮すると、どれだけコーヒー豆の粗さが整っているかによって、そのコーヒー豆の持つ香りや個性を引き出せるかが左右されるようにも思います。ただ、その観点でいうと、今回のテーマの検証はもうやる意味が無くなっちゃうんですよね・・・。
・・・まあ、改めて今回の検証を振り返ると、ブレンドしたそれぞれの挽き目が極端だったかなと反省しています。細挽きののほうはもう少し粗めに、粗挽きの方はもう少し細めにすれば、もう少し良い結果になったかもしれません。ただ、あまり挽き目を中挽き寄りにしすぎると、結果的に中挽きのコーヒー豆で良いじゃん!となるかと思うので、この検証を面白く、価値のあるものにするには、意外とそう単純じゃないのかもしれません。
さいごに
あまり良い結果には恵まれませんでしたが、新しく試してみたい課題が2つほど出てきたので、発展を促してくれたという意味では良い取り組みだったと思います。また、このテーマでもまだまだやれそうなことが合って、3種類以上の挽き目のコーヒー豆を使用してみる、とかでも面白いのかなと思います。