冷たいコーヒーを抽出する -冷却編-
- コーヒーの抽出
- 冷たいコーヒーを抽出する
前回に続き、冷たいコーヒーを抽出する試みの第二回目です。今回はシンプルに「ホットで抽出したコーヒーを冷やす」事で美味しく冷たいコーヒーを作ることができるか検証を行いました。
はじめに
タイトルが「冷たいコーヒーを抽出する」なのにホットで抽出している、という突っ込みは遠慮して頂きたいと思います。今回はコーヒーを冷やす工程があるので、初めにどの程度の温度まで冷やすのかを設定してから行いました。人が冷たいと感じる温度をざっくりと調べて、一桁台の温度だと冷たく感じるようだったので、今回はとりあえずコーヒーが9℃になった時点で完成としました。
条件
今回の検証は以下の条件下で行いました。
- 使用したコーヒー豆:キリマンジャロ
- 焙煎度:フルシティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):3・4
- ドリッパー:カリタ ロトブラウン102(陶器)
- フィルター:カリタ 珈琲屋さんのコーヒーフィルター101(白)
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 温度計:タニタ TT-NT33
- 豆の使用量:20g
- 抽出量:120cc
- お湯の温度:96℃
ミルのメモリが4のとき
抽出方法については通常のホットコーヒーを入れる時と一緒ですが、相違点としてサーバー(ビーカー)を氷水を張ったボウルに入れて、滴が落ちた傍から冷却するという手法で行いました。
数分程度で冷えるだろうと高を括っていましたが、なかなか冷えず、氷を追加したりしつつ待つことおよそ25分。ビーカーに突っ込んだ温度計がようやく9℃を示したため、ボウルからあげてグラスに注ぎます。
前回とは違い、ホットを冷やしたので色はもちろん薄くありません。飲んでみると、十分に冷たく、味も濃い。ホットとの比較としては、苦味が強く感じられましたが、甘みと飲んだ後の香りがあまり感じられず、酸味は十分ですが果実感のようなものがなくなったように感じました。全体的に柔らかさがなくなって鋭くなった印象です。
ミルのメモリが3のとき
次はミルのメモリを3に変えて抽出を行いました。しかし、先の検証で冷却に時間がかかってしまったので、今回は抽出後、冷凍庫に入れてみることに。
流石にもう少し早く冷えるだろうと思いましたが、結局9℃になるまで23分と誤差程度の結果に。
気持ち色が濃いように感じます。ホットとの比較としては、基本的な部分はメモリが4の時と同じように感じましたが、細かく挽いてある分、苦味がより強く感じられ、酸味は抑えられていました。冷たくして飲むと酸味がきつく感じるので、こちらのほうが飲みやすいです。
今回の結果
今回の結果をまとめると、以下のようになります。
- 冷たい
- お湯で抽出しているので味が濃い
- 苦味が強く感じられる
- 甘みが感じにくくなる
- 香りが感じにくくなる
- 酸味の強さは変わらないが、別物のように感じる
考察など
唯一モヤモヤする点としては、冷却に時間がかかりすぎるという事です。結果に感じたことを列記しましたが、そこに冷却した事以外に、冷却かかった時間による影響がある場合も十分に考えられるためです。氷を直接入れることは味に多大な影響を及ぼすと思うので、それは考えられませんし、外部から更に早く冷やす方法を考案しなければ精密な結果を得ることはできないでしょう。ただ、それについては考えがあるので、機会があれば試してみたいと思います。
さいごに
今回の検証は、冷却時間を考えると実用性が薄いのが難点ですが、薄くない冷たいコーヒーを飲めるので試す価値があると思います。また、私見としては今回の方法でコーヒーを冷たくして飲む場合、ホットに比べて酸味がキツく感じるので、酸味が控えめのコーヒーのほうが相性が良いと感じました。
なお前回、美味しさの定義とした、「ホットで抽出した時により近い良さが感じられること」については、100点満点中60点でギリギリ赤点にならず、といったところです。考えうる中で今回の方法が一番まともだと思っていたので、次回以降が非常に不安ですが、真夏に汗をかいて熱いコーヒーを飲みたくないので、できるだけ冷たくて美味しいコーヒーを抽出できるように頑張りたいですね。