コーヒーアイスクリームを自宅で、好きなコーヒー豆で作る
- コーヒーの抽出
- コーヒーデザート
忘れていた夏の王道
暑い日に食べたくなるものと言ったら、やっぱり冷たいアイスですよね。暑くてもコーヒーを美味しく、気持ちよく楽しめるように、かき氷とかアイスコーヒーとか色々やってみましたが、あくまでコーヒーをベースとした冷たいものを考えていたので、コーヒー以外のものをベースにしてみようという発想がこれまでありませんでした。
今回は夏の定番である冷たいアイスと淹れたてのコーヒーを組み合わせて、コーヒー味のアイスクリームを作ってみたいと思います。過去にアフォガートに合うアイスと題してアイスとコーヒーを組み合わせてみたことはありますが、今回はそうではなく、ちゃんと一から材料をこねてこねて、冷やしてアイスを作ります。
コーヒーを淹れる条件
今回淹れたコーヒーは、以下の条件のもと抽出しています。
- 使用したコーヒー豆:ホンジュラス
- 焙煎度:シティローストぐらい
- コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):1
- エスプレッソマシン:デロンギ アクティブ(ECP3220J)
- 秤:ハリオ ドリップスケール
- 抽出量:約100ml
コーヒーアイスクリームを作るための準備
はじめに、アイスクリーム作りに必要な材料をチェックしましょう。必要なものはシンプルで、牛乳、生クリーム、砂糖、卵、そしてコーヒー豆。ただこれだけです。砂糖は上白糖が良いらしいのですが、持ち合わせがなかったのできび砂糖で代用します。
ほとんど普段から家にあるものでアイスを作ることができてしまいます。動物性の生クリームを常備している家庭はあまりないと思うので、特別準備が必要なのはそれくらいでしょうか。
主役のコーヒー豆。良いコーヒー豆を使えば、アイスにしてもきっと美味しいはず。
肝心なレシピですが、検索してみると作り方や分量が異なる作り方がいくつも出てきて迷った結果、いくつかのサイトから分量と作り方を拝借して作ることにしました。
コーヒーアイスクリームを作る
材料と道具の準備ができたら、早速アイスクリーム作りに取り掛かります。まず、小鍋に牛乳300mlと砂糖75gを入れて、弱火にかけながら混ぜて砂糖を溶かします。
木べらでぐるぐる。溶けてるかどうかは砂糖のザラザラ感が無くなったかどうかで判断しました。
砂糖を溶かしたら火を止めて、小さいボウルに卵黄を3つ割り落とします。
全卵じゃないので注意。排水口に流れ落ちていった不要な卵白が後から悪臭を放つかもしれないと思うと、ちゃんと卵白を別でキャッチしておけばよかったと後悔。
卵黄を溶いて、小鍋の牛乳を少しずつ加えていって混ぜ合わせます。全て加えてよく混ぜた後、ザルを使用して濾しながら小鍋に液体を戻します。
牛乳と砂糖と卵の混合液。ザルにはあまり残留物がなかったので、濾さなくても良かったかも。
再度小鍋を中火にかけて、沸騰しないように注意しながら木べらでとろみがつくまで混ぜます。5、6分程度でトロっとしてくるので、火を止めてボウルに移して、そのボウルを氷水を張った一回り大きいボウルに入れて冷やします。
とろみがつく頃には結構熱くなっているので、ボウルの側面には注意です。
ここで、コーヒーの準備をします。分量外のコーヒーを加えることでアイスが固まらなかったりすることがあると困るので、今回はドリップコーヒーではなく少量で済むエスプレッソを加えることにしました。
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フルシティロースト程度のコーヒー豆を使用したので、エスプレッソの色は薄めです。
エスプレッソカップ1杯分と少し、約100mlほどの抽出したてのエスプレッソを冷やしている牛乳の混合液に加えて混ぜ合わせます。
エスプレッソを加えた後。ちょっと黒ずんだ見た目に。
コーヒーを加えた混合液を冷やしているうちに、もう一個ボウルを取り出して、生クリームを100ml入れ、ちょっともったりする程度までかき混ぜます。
ハンドミキサーはないので、泡立て器でがんばります。寄せたときに戻りが明らかに遅くなって、線の後が少し残るようになるくらいまで混ぜました。
混合液がそこそこに冷えたら、生クリームと組み合わせてよく混ぜて、バットに注いで広げます。
マーブルカラー。生クリームの白が加わって、けっこう美味しそうじゃないでしょうか。
あとは冷凍庫で1時間少々ほど冷やし固めます。70分経った時点で見てみると表面が固まっていたようなので、一度取り出してスプーンでかき混ぜます。が、冷凍庫内が平らでなかったせいか、中まで固まっているところもあればまだ液状のままになっているところがあり、まだアイスとは呼べない状態でした。
まだまだドロドロなアイス。ただ、ちゃんと冷やして固めてやればちゃんとアイスになるはずです。
今度はちゃんと平らになるようにして、さらに冷凍庫で冷やします。30分毎に取り出して混ぜて、合計130分冷凍してとりあえず完成としました。
100分経過時点。程よくなめらかでパッと見て良い感じでしたが、まだ液状の部分が見られます。
130分冷凍したコーヒーアイス。混ぜた感じではちょっと滑らかさがイマイチですが、食べてみないことには分かりません。
自家製コーヒーアイスクリームを食べる
バットから食べる分をスプーンで取り出して、カップに盛ったら完成です。
自家製コーヒーアイスの完成!思ったより簡単にできました。
スプーンですくって、パクリ。やっぱりちょっと氷っぽさと言うか、シャーベットに近い食感で滑らかさには欠けますが、味はクリーミーで濃厚で、甘くて冷たくて美味しいです。ただ、肝心なコーヒー感は思いの外存在感が薄い感じ。コーヒーがアイスに入っていることは誰が食べても分かりますが、コーヒー豆の特徴などは全く感じられません。
ただ、食べることでカフェイン不足による頭痛が落ち着いたので、確かにコーヒーを摂取したとは言えるでしょう(笑)。中深煎り程度のコーヒー豆ではなく、ガッツリ深煎りで濃厚な苦味のコーヒー豆を使用したエスプレッソであれば、もっと強くコーヒーを感じられるアイスクリームになったのではないかと思います。
考察・感想
初めてアイスクリームを作りました。生クリームが少々高いのでしょっちゅう作るのは難しそうですが、手順は簡単なので、ちょくちょく試してもっとなめらかで美味しいアイスクリームを作れるようになってみたいですね。
今回作ったコーヒーアイスクリームは、まだまだ改善の余地があります。まず食感です。初めてだったこともあって見様見真似で作ったうえ、レシピにはないエスプレッソを独自の判断で加えたので、そこがやはり食感に影響を与えてしまったのかもしれません。これについては、エスプレッソを加えるタイミングを最初の牛乳に砂糖を加えるときにしてみて、より液体に馴染むようにしてみると良いんじゃないかなと思います。
次に味です。コーヒー感はありましたが、 牛乳300mlに対してエスプレッソを100mlを加えた割には、コーヒーの味わいが弱いように感じました。・・・いや、牛乳300mlにエスプレッソ100ml程度じゃあそんなもんな気がしてきました。となると、やっぱりエスプレッソ自体が弱すぎたせいかもしれません。やはりエスプレッソはフレンチロースト以上の深煎りのコーヒー豆を使用して抽出するべきだったでしょう。
ただ、シティロースト程度の中深煎りのコーヒー豆で抽出した酸味の強いエスプレッソを使用した場合、アイスクリームにその酸味が現れるのかという検証も兼ねていたので、コーヒー豆の選択が誤っていたとは考えていません。ちなみに、酸味は特に感じられませんでした。
また、アイスクリームを作る前は、エスプレッソではなくドリップコーヒーでも後で試してみたいと思っていましたが、今回の結果を受けて、ハンドドリップのコーヒーで美味しいコーヒーアイスクリームを作るのは難しそうだと感じました。というのも、ハンドドリップでエスプレッソと同等の味の濃度を出そうと思ったら、コーヒーの使用量は必然的に多くなり、アイスに占めるコーヒーの割合が高くなります。アイスの滑らかさの秘密は分かりませんが、少なくともコーヒーは凍らせてもコーヒー味の氷になるのは分かっていて、それを踏まえると、コーヒーの比率が増えるほど、アイスも氷に近い食感になってしまうのではないかと思ったからです。
前述したように、コーヒーを加えるタイミングによって食感に影響が与えられる可能性もありますが、それとは別で、アイスクリームを構成する要素の比率において牛乳や生クリーム以外の要素の割合が大きくなると、そもそもなめらかな食感を実現するのは無理なように思います。つまり、エスプレッソよりも量が必要になるハンドドリップコーヒーでは、濃い味でなめらかなコーヒーアイスクリームを実現することはおそらく無理でしょう。
改善の余地はありますが、アイスは美味しかったのでとりあえず満足です。まだ生クリームも余っているので、今度はマンデリンなどわかりやすいコーヒー豆で抽出したエスプレッソを使用して、コーヒーアイスクリームを作ってみたいと思います。