どんなアイスの種類でアフォガートを作ると一番美味しいのか

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夏といえばアイスです。コーヒー的にはアイスコーヒーも良いですが、アイスクリームと一緒にコーヒーを楽しむアフォガートなんていかがでしょうか。

はじめに

今年も夏とコーヒーを上手く絡めた何かがないかなーと探していたら、アフォガートが目に飛び込んできました。存在自体はとうの昔から知っていましたが、そう言えば試したことないなと思い、ちょうど甘いものが食べたかったのでコンビニでアイスを買ってきて、アフォガートを作ってみることにしました。ついでに美味しいコーヒー豆屋さんで深煎りのコーヒー豆も。

ちなみに、ついさっきまでこのコーヒーをアイスにかけて食べるスタイルの事をアフォガー”ド”だと思っていたのですが、正式にはアフォガー”ト”のようです。ドじゃなくてト。結構間違えている人多いんじゃないでしょうか。伝わればどっちでも良いんですけどね。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:マンデリン
  • 焙煎度:フレンチローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):1
  • ドリッパー:ビアレッティ ミニエキスプレス
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 豆の使用量:約10g

使用するコーヒー豆とアイスたち

今回は深煎りのマンデリンと、せっかくなので3個ほど種類の違うアイスを買ってきて、食べ比べをしてみることにしました。まず、コーヒー豆。

ミニエキスプレスに入ったフレンチローストのコーヒー豆

コーヒーオイルでテカテカの深煎りです。このマンデリンを使用してミニエキスプレスでモカコーヒーを抽出して、アイスにかけていきます。使用するコーヒー豆の量はミニエキスプレスのバスケットに一杯になるくらいで重さ的には10gほどです。ミニエキスプレスについてはこちらの記事も是非読んでみてください。

本当はエスプレッソが理想的なのですが、エスプレッソマシンは無いのでせめてドリップコーヒーよりも濃いモカコーヒーで代用。まあ、エスプレッソでないといけないというルールはないので気にしない。次に、アイスのご紹介。

スーパーカップ

まずは庶民の味方、スーパーカップです。写真の通り、カップラーメンじゃあなくてアイスの方です。種類はラクトアイス。

mow

続いてみんな大好きmow。熱心なファンも多いんじゃないでしょうか。種類はアイスクリームです。

雪見だいふく

そして最後はダークホース雪見だいふく。こちらも美味しいですが、求肥が果たしてどう絡んでくるのか。種類はアイスミルクです。

以上、3種類のアイスを用意してみました。見ての通り、ラクトアイス、アイスミルク、アイスクリームとそれぞれ別の分類のものを用意しています。それぞれの分類ですが、

  • アイスクリーム : 乳固形分が15%以上(うち乳脂肪が8%以上)含まれているもの
  • アイスミルク : 乳固形分が10%以上(うち乳脂肪が3%以上)含まれているもの
  • ラクトアイス : 乳固形分が3%以上含まれているもの

と定義されています。簡単に言うと、乳固形成分や乳脂肪が多いほど滑らかでコクがあって、つまり美味しいということです。

アイスの事をちょっと知ったところで、お待ちかねのアフォガートを作りましょう。

アフォガートをつくる

アフォガートを作ります。作ると言っても、モカコーヒーを淹れてアイスにかけるだけですが・・・。準備として、アイスをガラス容器にスプーンですくい取っておいて、冷凍庫に入れておきます。ミニエキスプレスでモカコーヒーを淹れたら、すぐにかけられるようにするためです。アイスの準備ができたら、モカコーヒーを淹れます。

深煎りのコーヒー豆を細挽きにして、ミニエキスプレスにセット。コンロに乗せて、弱火で温めます。あとは時間が経てばモカコーヒーがエスプレッソカップに注がれて、抽出完了です。

モカコーヒー

ミニエキスプレスで淹れたモカコーヒー。ミニエキスプレスは2杯分が直接カップに注がれる構造なので、同程度の量のモカコーヒーがもう1杯抽出されています。

モカコーヒーが抽出できたら、後は冷やしたアイスにかけて食べるだけです。

3種類のアフォガートを食べる

まず、スーパーカップのアフォガートから。冷凍庫からスーパーカップの入ったガラス容器を取り出して、モカコーヒーをかけます

スーパーカップで作ったアフォガート

良い感じのガラス容器が3つ無かったため、こんな容器しか用意できませんでした。まあ、見た目と味は関係ないということで・・・。

食べると、まずコーヒーが結構冷たくなっていました。冷凍庫で直前まで冷やしていたので当たり前っちゃあ当たり前ですが、写真撮ってすぐ食べたのですが。味は、なんというか一体感がない。コーヒーとアイスが一緒になっているけど、絡んではいない。一緒に食べても苦味が来た後に甘みが来ます。そして面白かったのが、同じタイミングで作ったmowのアフォガートはアイスが固形を保っているのに対して、スーパーカップはすべて液体になってしまいました。

ということで、同じタイミングで作ったmowのアフォガートも食べます。

mowで作ったアフォガート

スーパーカップよりもアイスが白い。ラクトアイスとアイスクリームの差はいかに。

まず、前述のようにすぐには溶けませんでした。食べると、こちらはスーパーカップのアフォガートとは違い、甘味と苦味に一体感を感じます。上手く溶け合っている感じです。また、溶けてモカコーヒーと混ざり合った状態のコーヒーを飲んでも、クリーミーで美味しい。先程のものと比べると、満足度が高いアフォガートです。

そして最後に雪見だいふく。コーヒーをかけるとどうなってくれるのでしょうか。

雪見だいふくで作ったアフォガート

コーヒーをかけた直後。微動だにしません。求肥がここまでやるとは思いませんでした。溶けないのは困るので、求肥をスプーンで割ってみます。

崩した雪見だいふくのアフォガート

熱いモカコーヒーをかけたので中は溶けているだろうと思ったのですが、溶けてない。求肥恐るべき、です。

なんとか切り崩しながら、一口。うーん、スーパーカップよりは美味しいのですが、微妙。というか求肥がコーヒーにまみれて苦い。そして気づいたら中のアイスがどこかにいってしまって、アフォガートとして機能?していませんでした。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • アフォガートを作るときは、ラクトアイスではなくアイスミルクやアイスクリームを使おう

考察・感想

半分以上お遊びのつもりでしたが、面白い結果を見ることが出来ました。ラクトアイスであるスーパーカップがアイスクリームのmowと比較すると数倍早く溶けてなくなってしまったのは、単純にアイスの分類の違いのせい、つまり乳固形成分や乳脂肪の含有量の違いによるものだと思われます。つまり、乳固形成分や乳脂肪の割合が多いほど熱に強い、というのでしょうか、とにかく熱くても固形を保っていられるのではないかということです。

もう少し念入りに考えてみると、ラクトアイスとアイスクリームではアイスクリームのほうが乳固形成分や乳脂肪の割合が多いということは、ラクトアイスはその分は他の成分で代替されているということになります。この成分が何かは分かりません(あえて調べません)が、今回の結果から乳成分よりも液体に近いもので、熱に弱いということが考えられます。

味については、ラクトアイスよりもアイスクリームのアフォガートのほうがコーヒーとよく絡んで美味しいモノでした。これもやはり、乳成分の含有量の違いがコーヒーとアイスの一体感に影響を与えているのだと思います。多分、ラクトアイスは乳成分の代わりに別種の脂肪か何かを混ぜているのではないかと思うのですが、ただ単純に脂肪分であれば良いのではなく、乳成分由来の脂肪分がコーヒーとは相性が良い、という事かもしれません。これについては、コーヒーが基本的に牛乳と混ぜ合わせられる事を考えると、結構的を得ているんじゃないかなあと思います。

最後に雪見だいふくですが、アフォガートにするにしても求肥は取ってからのほうが良いでしょう。ただ、それなら他のアイスミルク製品を使用すれば良いのですが・・・。

さいごに

楽しく美味しく検証出来ました。これからの季節、冷たいコーヒーのデザートも気になる、という人は、アフォガートをぜひ試してみてください。もちろん、アイスはアイスクリームで。

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