冷たいコーヒーを抽出する -急冷編2-

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合体

前回の冷たいコーヒー抽出編では、銅管を使った冷却方法を試してみましたが、銅の味が移ってしまい失敗でした。今回はその反省を生かして、銅を使ってかつ匂い移りのない急速冷却法を検証してみました。というわけで、第5回目の冷たいコーヒー検証です。

はじめに

銅管を使った冷却法の後、色々考えてみたところ、たどり着いたのが今回の方法です。銅管の時と比べて手軽で、かつコーヒー自体の味に影響を与えない(であろう)という事で、今回も自身満々で臨みました。

条件

今回の検証は以下の条件下で行いました。

  • 使用したコーヒー豆:エルサルバトル サンタリタ農園
  • 焙煎度:フルシティローストぐらい
  • コーヒー豆の粗さ(ナイスカットミルのメモリ):4
  • ドリッパー:カリタ ロトブラウン102(陶器)
  • フィルター:カリタ 珈琲屋さんのコーヒーフィルター101(白)
  • 秤:ハリオ ドリップスケール
  • 温度計:タニタ TT-NT33
  • 豆の使用量:20g
  • 抽出量:120cc
  • お湯の温度:96℃
  • 冷却後の温度:15.0℃(詳細は後述)

道具

今回の検証のために用意したものは、「銅製のタンブラー」のみです。安物でも300mlで2000円弱と少々値は張りますが、冷たくて美味しいコーヒーを飲むためにはそんなことも言ってられません。ちなみに、3mのなまし銅管もそれぐらいしたので、そう考えると経済的、かもしれない。

銅製タンブラー

ポイントは内側の錫メッキで、メッキをしてあることで銅の味がコーヒーに移らずに済みます。熱伝導率的には少々効率が悪そうですが、味に影響が出ることを考えれば致し方ありません。

ミルのメモリが4のとき

あらかじめ冷凍庫に入れておいた銅製のタンブラーを氷水の入ったボウルに入れ、その上にドリッパーを載せて、通常通りコーヒーを抽出します。冷凍庫から取り出したばかりのタンブラーはキンキンに冷えてやがっていたので、期待が膨らみました。

しかし、120ccのコーヒーを入れ終えてタンブラーを少し触ってみると生暖かったので、温度計を突っ込んでみると、表示された温度は約40℃とかなり高めでした。仕方ないので氷水に漬けたまま少し放置して冷やすことに。コーヒーを入れ終えてから大体6分程度で15℃まで下がったので、そこで引き揚げました。

夕暮れ

飲んでみると、15℃でも十分冷たさを感じ、味も銅臭くなく、ホットにかなり近い味わいを冷たいコーヒーで再現できていました。強いて言うならば、酸味が強めに感じ、口に含んだ際の香りの広がりが若干悪い、といった相違点を感じましたが、それでもこれまでのどの方法よりも、ホットに近い味でした。

今回の結果

今回の結果をまとめると、以下のようになります。

  • 入れ終えた段階からさらに追加冷却が必要
  • ホットにかなり近い味わいを感じられる
  • 銅の味がしない

考察など

入れ終えた時点で40℃程度の温度だったときはドキッとしましたが、銅の熱伝導性を持ってグングン温度を下げてくれたので、ビーカーを直接冷やした時に比べると、大幅に冷却効率が上がった事がわかりました。そして、冷却時間が早くなった分、味にも影響が少なくなった(ホットに近い味わいになった)という事を考えると、コーヒーの味に影響を与えるのは、冷やすことよりも時間経過であることが考えられるのかなと思います。

まあでも、ビーカーで検証した時はもっと温度を下げていたので、その差が影響を与えたとも十分考えられます。検証結果を見直してみたところ、当時も香りと酸味に言及していた事を考えると、冷却によって必ず起こる変化があるのでしょう。その辺りの検証方法も考えてあるので、今度行いたいと思います。

さいごに

入れ終わったと同時に飲み頃になってくれていれば最高でした。もっとタンブラーをぎっちり冷やす方法を考える必要がありそうです。しかし、今までの冷たいコーヒー検証の中では一番「ホットに近い味わい」を出すことができたと思います。銅管を使わなくて良く、手軽にできるので、興味がある方はぜひ試してみて頂きたいと思います。

余談ですが、タンブラーの中はメッキされているので味は移りませんが、外側は銅なので、タンブラーに顔を近づけたときには銅の匂いがします。それと、熱伝導率が高い分、結露しますし、手の温度が伝わって温度も変化しやすいのでご注意ください。

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